はじめに — 「土を使わない苔テラリウム」とは?
苔テラリウムを作るとき、「土は使うのですか?」という質問をよくいただきます。
実は苔は、必ずしも土がなくても育つ植物です。
「土を使わないスタイル」は、
- 清潔に保ちやすい
- 虫やカビのリスクを減らせる
- 軽くて扱いやすい
といった理由から、最近少しずつ注目されています。
olmo+でも、さまざまな素材や管理方法のひとつとして、
“土を使わない苔テラリウム”という選択肢を取り入れています。
この記事では、苔がなぜ土なしでも育つのか、
またどんな素材を使えばよいか、作り方や管理のコツをわかりやすく紹介します。
“必ずしも土が必要とは限らない”という新しい視点で、苔の世界を見てみましょう。
苔は「土なし」で育つの?|苔の生態をやさしく解説
苔は一般的な植物とは違い、根から栄養を吸わない植物です。
土に植える必要がない理由は、その独特な構造にあります。
苔の構造と成長メカニズム
- 苔の“根”は植物を固定するための「仮根(かこん)」
- 水分や養分は、葉や茎の表面から直接吸収
- 光合成で生きるため、環境が整えば土は不要
このため、光・水・空気さえあれば、
石の上や木の皮、コンクリートなどの上でも生育できます。
※ただし、種類によっては土の上の方が安定して育つ場合もあります。
どちらが適しているかは苔の性質や設置環境によって変わります。
土を使わないメリット — 清潔で扱いやすいもうひとつの選択肢
土を使わない苔テラリウムには、次のような利点があります。
それぞれの暮らし方や設置場所に合わせて、選択肢のひとつとして検討できます。
虫・カビが出にくい清潔さ
土に含まれる有機物が少ない分、虫やカビが発生しにくくなります。
特に室内で管理する場合や、衛生面を気にする方にとって扱いやすい方法です。
軽くて置きやすい
土の代わりに無機質な素材を使うことで全体が軽くなり、
壁面や棚の上など、さまざまな場所に飾りやすくなります。
デザインの自由度が高い
化粧砂や天然石、流木などを使うと、自然の風景やアート作品のような仕上がりに。
苔の緑が際立ち、インテリアとしても映えます。
もちろん、土を使うことでより自然な生態系を再現できるという魅力もあります。
目的や好みに合わせて「土あり/なし」を使い分けるのがおすすめです。
土の代わりに使える素材 — 代表的なベース素材5選
土を使わない場合、苔を支えつつ水分を保持できる「ベース素材」が重要になります。
以下のような無機素材がよく利用されています。
① ハイドロボール/ハイドロコーン
- 無菌で軽く、通気性・保水性のバランスが良い
- 室内管理に向く代表的な代替素材
② ゼオライト
- ミネラル成分を含み、水質を安定させる効果あり
- 水辺をイメージしたテラリウムに適している
③ 化粧砂・カラーサンド
- デザイン性重視。層を作ることで美しく仕上がる
- 保水性が低いため、下層に保湿素材を敷くと安定
④ 溶岩石・軽石
- 苔の活着性が高く、自然な景観を演出できる
- 排水性にも優れ、長期維持がしやすい
⑤ ココナッツファイバー・ウッドチップ
- 柔らかくナチュラルな印象
- 湿気がこもりすぎるとカビやすいため注意
olmo+では、展示作品やワークショップの内容に合わせて、
土を使う・使わないの両方を組み合わせています。
土を使わない苔テラリウムの作り方(初心者・親子向け)

用意するもの
- ガラス容器(密閉/開放どちらでもOK)
- ベース素材(ハイドロボールなど)
- ピンセット・霧吹き
- 苔(ハイゴケ・コツボゴケ・タマゴケなど)
手順① ベース素材を敷く
容器の底にベース素材を敷き、層を整えます。
ハイドロ素材や軽石を使うと通気が良く、清潔に保てます。
手順② 苔を配置する
霧吹きで苔を湿らせ、ピンセットでやさしく配置。
表面を軽く押して固定します。流木や石を組み合わせると立体感が出ます。
手順③ 水分を与える
全体がしっとりする程度に霧吹きを。
水を多く入れすぎると、カビや腐れの原因になります。
手順④ 蓋をして完成
完全密閉は保湿性が高い一方でカビが出やすいため、
半密閉または開放型にして定期的に換気すると安定します。
土なしテラリウムの管理方法と注意点
置き場所
直射日光を避け、明るい日陰に置くのが基本。
LED照明を活用すると、一年を通して一定の光量を確保できます。
水やり頻度
週に1〜2日に一度、霧吹きで軽く湿らせる程度。
底に水が溜まらないように注意しましょう。
カビ・湿気対策
- 定期的に蓋を開けて換気
- 水滴が多い場合はティッシュで軽く拭き取る
- 過湿を防ぐことでトラブルを減らせます
成長管理
苔が伸びすぎたらピンセットでトリミング。
半年に一度程度、ベース素材を洗浄または交換すると長持ちします。
よくある質問(Q&A)
Q1:本当に土なしで育つの?
苔は根で栄養を吸わないため、基本的に土がなくても問題ありません。
ただし種類や環境によっては、土を使った方が安定することもあります。
Q2:どの苔が土なし向き?
ハイゴケやコツボゴケなど、湿度変化に強く管理がしやすい種類が向いています。
Q3:虫が発生しませんか?
清潔な素材を使えばほとんど発生しませんが、野外採取した苔には微生物が含まれる場合があります。
使用前に水洗いや乾燥を行うと安心です。
Q4:どちらが長持ちするの?
どちらも条件次第です。
水分・光量・通気を保てば、土なしでも数年維持できます。
Q5:リセットの目安は?
半年〜1年に一度。
苔が古くなったりベースが汚れたら、新しい素材に入れ替えましょう。
olmo+ワークショップでは両方のスタイルを体験できます
olmo+では、土あり・土なし両方の苔テラリウムを体験できます。
それぞれの特徴を学び、自分に合ったスタイルを見つける方が多いです。(土なしのものはキットを購入して作る形となります。現在olmo+オリジナルキットも目下計画中。)
- 「清潔に管理したい」→ 土なしタイプ
- 「自然の雰囲気を重視したい」→ 土ありタイプ
初心者の方でもスタッフがサポートするので安心です。
ご希望のスタイルで、自分だけの小さな緑の世界を作ってみましょう。
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まとめ — 土を使う・使わない、どちらも苔の魅力を引き出す方法
- 苔は環境が整えば、土がなくても育つ植物。
- 衛生面やインテリア性を重視するなら“土なし”も選択肢。
- 自然な風景を再現したい場合は“土あり”が向いています。
どちらが正解というわけではなく、
目的や暮らし方に合わせて選べるのが苔テラリウムの魅力です。
あなたも、自分らしいスタイルで小さな癒しの世界を作ってみませんか?
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